影女
影女という妖怪がいる。
私は子供の頃にこの妖怪を見た…かもしれない。夜中目を覚ました時、襖に首を垂れた座り姿の女性の影を見た。
怖くなり布団をかぶって、そのまま寝てしまったのだが、非常に寝苦しかったのは覚えている。
その後何かのタイミングで影女のことを知り、ああ、あの影はもしや、と思った。何故そう思ったかというと
当時知り得た影女情報に「影女を見たものはその後不幸に見舞われる」というのがあった。
襖にうつる影を見た後、私の親が経営していた会社が倒産したのだ。私の中で、「影女決定!」とあいなった。
影女は鳥山石燕の妖怪画集「今昔百鬼拾遺」に描かれている。
夜、障子にうつる月影の女。
最近気になって画集を確認したら障子にうつるだけで不幸になるとかの記述はなかった。
影女の話は当時妖怪話ができるクラスメイトからの情報だったと思う。
あの時の影。理性的に考えてみた。障子ではなく襖に映っているということは影の主はあちら側ではなくこちらの部屋だ。光源は朝方だったと仮定して窓から入る僅かな光。電気スタンドの影が映ったとかそんなんだろうか。そんな解釈もできるけど、それもなんか違う。だって無茶苦茶怖かった。ふつうに幽霊だったのか‥。でもやっぱり一番たのしそうな解釈は影女。せっかくなので影女に遭遇したことにしようと思う。

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